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執筆者の写真Painter MAKOTO OGISO 小木曽 誠

リハビリも兼ねて文章書いてます。

「流れし静謐」1999〜2000年さくF150号


東京芸術大学卒業制作。6月ごろより始め、12月に制作終了した。半年間はこの作品に従事し、とにかく集中しようと考えた。「静物画」と「人物画」と言うカテゴリーを取り払い、実際にモチーフを大学のアトリエに組んだ。東京藝術大学の絵画棟は8階建で、確か1階と5〜8階は油画科が使用し、2〜4階は日本画科が使用していたように記憶している。記憶がかなり曖昧であるが、7階の一アトリエを4年生3名で使用した。エレベーター裏にあるアトリエを使用したため、他のアトリエとは形状が異なり、L字の空間となっていて、そこが大変気に入り、その一番奥を私は自分の制作場所として、半年間集中し制作のスペースを確保する。自分のスペースにはカーテンを自作し、基本誰も入れないようにし、制作に集中する。モチーフとなった廃材は当時「東京芸大美術館」を建設中で、その工事現場のおじさんから借用したものや、大学裏にあった骨董屋から買い集めたものなど様々なモチーフでアトリエ奥を埋め尽くした。モデルを配し描き出したが、諸般の事情でモデルが困難になりモデルから奥のモチーフが透けて見えるように「ダブルイメージ」で描いたことが功を奏したのかも知れない。助手のAさんぐらいしか制作途中は見せず、締切に皆に見せたこの作品は無事「大学買い上げ」となり主席で卒業した。


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